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2022.10.24 施設紹介

尾崎別院本堂

尾崎別院本堂

桁行24.31m 梁間22.72m 入母屋造 向拜3間 本瓦葺  宝永2年【棟札】

本堂は本山格として規模の大きなもので、後世の改修の跡もほとんどなく、棟札によって宝永二年(一七〇五)の建立であることが判明する。三間の向拝を付け、外陣回りでは広縁と落縁を回して柱を立て、外陣正面の柱間は七間にとり、右側面では庫裡等への接続のために縁を取り込んでいる。外陣内では中柱(円柱)を立てるが、三列の空間構成や矢来内を意識付ける梁架構はなく、この外陣内は同高に棹縁天井を張る。この虹梁や組物などの装飾は内外陣境正面に限られている。この内陣正面では上段長押・内法長押を打ち、欄間を入れ、虹梁型頭貫、組物は出組・拳鼻付き、中備蟇股とする。内陣・余間では奥行を二間半にとり、内陣回りでは円柱を用い、来迎柱を立てて仏壇を据え、後門を開く。内陣では出組とするが、両余間では組物は飾らず、内陣正面の組物と同様に大斗を置かず、挿肘木を用い、柱は小屋内まで伸びる。また、向拝組物は出三斗または連三斗で拳鼻付きとするが、枠に組む肘木位置に手挾を入れ、組物の正面側で木鼻に作る。

『大阪府の近世社寺建築 ~近世社寺建築緊急調査報告書~』(昭和62年3月 大阪府教育委員会文化財保護課 発行)より

棟札

板状 木製墨書

118.8×18.0×1.2

【題】 泉州尾崎本願寺御坊再建

【紀年】時寶永貳乙酉年/九月十八日上棟

 

 


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