横木(梁・桁)に設置し、荷重を分散して支えるために、下側が広くなっている部材です。そのシルエットが蛙の股の様に見えることから「蟇股」と呼ばれるようであります。
本来は屋根からくる荷重を支える部材の一つでしたが、平安時代後期以降は装飾材としての役割が重視されてきたようです。
尾崎別院の本堂には、向拝(正面階段下)の上に3つと外陣と内陣余間との境に6つ、そして左右脇壇の上にそれぞれ1つづつの合計11体の彫刻が施された蟇股があります。
向拝の3体はいずれも欠損が著しく、残る部材で判断するしかありませんが、両端の2体が「雲に麒麟」で,正面は「飛龍」です。
ここには著色はありません。
カテゴリ